ロックスターになりたい

ノンバイナリーをオープンにして生きているひとに対して「ノンバイナリーらしい装い」というミスジェンダリングとも違う規範に対するラベリングをされることがある。そもそもノンバイナリーは様々。中性、両性、無性、流動的なひともいる、ノンバイナリーかもしれない状態の断定できないひとも中にはたくさんいる。ノンバイナリーはこうあるべきなんてものはない。女らしい女もないし男らしい男もない。ノンバイナリーらしいノンバイナリーもない。バイナリーに基づいてラベリングすることは、その人が実存していることに必要のない判断基準だ。

ノンバイナリー観はその人それぞれに違うし表象は証拠じゃないから間違ってもノンバイナリーらしくないね?は言うべきではない。ジェンダーについてあまりよくわかっていないのに何かを言おうとしているなら一旦黙ろう。

他者の表象に対してもちろん女らしい男らしいは論外。

アサインされた性別ともジェンダーアイデンティティとも装いは無関係である。

着たいから着ているだけ。服はただの服。スカートを履くこともあればネクタイをしめることだってある。逆にスカートを履くのがつらいひともいる。髪を短くしても長くしても化粧してもしなくても関係ない。

私たちクィアを取り巻く環境は生きるのが険しい。だからこそ自分を鼓舞するために装いに意思を込めて、細部に美や悪魔を宿している。
こんなふうに髪の長いロックスターになりたいノンバイナリーもいるのよ、そうなのよ。

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憧れのロックスターみたいになるには私には背丈が足りない。

ジョージコックスでもあしながおじさんでもどんな厚底を履いたってそもそも10センチ以上足りない。

格好いい喉仏もないし素肌にシャツを着てボタンを3つも4つも開けることができない。

それでもなんとか折り合いをつけて、自分で自分を殺めないようにしながら、私なりのやり方でやっている。

長い年月をかけてそう思えるようになってきた。今の自分が一番気に入っている。

いつでもマインドだけは183センチある。

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ロックスターになりたい気持ちは常にあるけれど私は毎日違う装いをしていたい。特定できない人間で在りたいので、デヴィッドシルヴィアンの気分の次の日に加賀まりこ吉井和哉を目指した次の日にはニナハーゲンを目指すしあゆにもなる。あまのじゃくだから撹乱したいだけかもしれないし色んな装いが好きなだけかもしれない。

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