丁度いい枝を探し歩く

金木犀の匂いにも少々うんざりしてきた今日この頃。

進む季節に量産されたような感傷にひたる人びと。ひねくれた性格なので、同じことばっか言われると嫌んなって逆を行きたくなってしまう。

ここから一歩も通さない友達も恋人も入れないそんな領域が誰にでもきっとある。私は子供のころから群れるのが苦手で、ずっとひとりで行動するのが気楽というかすきなほうだ。でもどうしてもひとりでいたくない日があって、親友が駆けつけてくれた。ふたりでカラオケに行って、私が振り付き全力で歌った十戒トートロジーを笑いながら受け止めてくれるやさしい親友が歌ってくれた、ハンバートハンバートのおうちにかえりたいが最高。帰りたいわけじゃないよ!と言っててかわいかった。甘いものと煙草と音楽と友達。もうこれだけあってくれたらいい。いくつになろうと私たちは、ちょうど良い枝を探しながら歩き、ばれないように手紙を回して小指を結んでる。他のもんは邪魔だけはしてくれるなよ。

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先週の金曜日は馬込将充さんの個展「月の裏側へ」をみに行きました。

この影やこの日差しのかたちをそのまま取っておけたらいいのにと、幾度となく焦がれた叙景。体温や湿度、季節の匂いまで私の目をこえて、たち登ってくるようだった。でもそれはきっと輪郭の一部。私は知りたいと思った。離れがたい日々、手から溢れ落ちゆくすべてと生きている、見える世界の裏側と地続きのここにあるすべてを抱いて。

この日、人生で初めて写真集を買いました。大事にします。

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