新作の詩です。ぜひご覧下さい。
「Zan」 嶋田紫文
星座を辿ると
右の頬に続いていた
ぼくはその星座の名前を知らない
星の色の弦が染めあげては
宵闇のなかでひきよせる
前髪が眼差しを縁取っている
風通しの良い窓辺で鳴る
旋律をめがけて
言葉は積み上がってく
絶え間ないお喋りが
銀河に寝そべってる
愛すべき違いが
辻褄に寝そべってる
触れるより近い気がした
ぼくはその星座の名前を知らない
生まれた街に
登る星をさがしてる
まるで海を恋しがる人魚みたいに
鱗の名残が痛もうとも
幼き日の目覚めのピアノ
彼のひとをどうか守って