いつからか当たり前のように内面に暗やみが根を張っていた。4回目の転校先で初日に「死神」というあだ名を付けられるという悲惨な子供時代を過ごした私が、最初に触れたゴス文化はアダムスファミリーでした。モーティシアが温室で薔薇の花を頭からはさみで切り落とすのを観て大変に興奮した記憶があります。(変な子供だな)
11歳の頃に気になった音楽を片っ端から聴きだして、その中で日本のヴィジュアル系音楽を聴きはじめたり、KERAを愛読していたり(ゴシック、ロリータ、パンクスのためのファッション誌)、ティムバートン監督作品を繰り返し観たりとやけに折り目正しい…。ただ色んなものがすきだったのでKERA読みつつcutieも読むディルを聴きつつバンプも聴く。友だちはいつも少なくてすきなものに触れる時間だけが救いでした。
大人になった今も心の影に裏打ちされて表出した美しさや態度(スタイル)や人、創作物にものすごく惹かれる。ゴスと呼ばれてきたもの、その系譜をたどる音楽も装いも好きなのはクィアである自分にとって居心地の良さを感じていたからだと思います。
ゴスの美しさは自分の中にある闇を自ら纏って踊る気概にある。
スージーアンドザバンシーズのフロントウーマンであり、UKゴスの女王ことスージースーへ捧げるオマージュセルフポートレートを撮りました。
Happy Birthday Siouxsie Sioux!
撮影/モデル 嶋田紫文